【食】蒸かしたじゃがいも

= 内勤希望 =さん

皮付きのままの蒸かしたジャガイモを食べたい。
つるッと皮を剥いてアジシオをパラパラッと振りかけてハフハフしたい。

妻にリクエストするのだけど、何故か手を加えられて別の料理が食卓に並ぶ。
それはそれで美味しいジャガイモであるのは間違いないけれど。
ただ蒸かしただけのジャガイモが食べたいのに・・・。

これって、蒸かしただけでは料理と認められない妻のプライドなのか。
それとも嫌われて意地悪されているのだろうか。

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ポテトさんより

野菜の価格高騰、ジャガイモの高カロリー、皮に付着した残留農薬。
妻側からしたらそこが気になるし、スマホばかり弄ってる姿を毎日毎晩みてたらこづかいでジャガイモを買ってきて自分で作って食べればと思うはず。

だんしゃくさんより

自分でやれば?
炊飯器に馬鈴薯、水をひたひたに入れて
スイッチを押すだけ
それは男のプライドが許さないか?
がんばってね

内勤希望さんより

当時、実家に六十代の両親と二十代前半の私の三人で暮らしていた。
その晩、一人起きていてテレビのプロ野球ニュースを見ていた私。時刻は午後11時過ぎ。既に両親は別室で床に就いていた。やがて隣りの部屋から話し声がするなと思ったら、背後の襖がばっと開き、父が怒鳴った。
「119番に電話して救急車を呼びなさい。それから〇〇〇へ直ぐに来るよう電話して」
薄暗い部屋に敷布団の上で母が苦悶の表情を浮かべながら横たわっている姿を見た。母は胸を両手で押さえている。おそらく心臓病の発作が疑われる状況。血圧が高めだと知ってはいたが、心臓を原因とする発作は初めての出来事である。痛みで顔をゆがめる母の症状に「まさか・・・」と悪い想像が頭をよぎり恐れ慄いた。

急ぎ玄関の脇にあった黒電話へ飛びつき、微かに震える指でダイヤルを回し119番へ。
「消防署です。火事ですか、救急ですか」
「救急車のお願いです」
落ち着いた声で対応する消防署員に母の症状や必要な事を伝え、指示を受けて電話を切った。人生初の119番通報だっただけに、私の電話口での口調は余裕のない話し方だったはず。
それから近くで一人暮らしをする姉に電話をして、理由を話し直ぐに来るよう早口で伝えた。兄弟姉妹のなかで一人だけに連絡した理由は、病院勤務の看護師である姉が母の傍に駆けつけてくれたら心強いし、少しでも不安を軽減させる最善策だったから。

実家は住宅密集地にあって車道に面しておらず、狭い路地では救急車が横付け出来ない。私は到着したら救急隊員を誘導する必要があるからと父に告げ、急いで外に飛び出した。冷静な行動が出来ない精神状態に陥っていた私は、とんでもない行為を働いてしまう。
慌てていたので門を閉じるカギをしたままの鉄製の門扉を力任せに引っ張り、ブロック造りの門柱に固定された門扉を引きはがして倒し破壊した。倒れた門扉を引き起こして邪魔にならないよう庭に放り投げて片付けてから、救急車が向かって来る道路まで走った。

実家から数十メール離れた道路の端で救急車の到着をそわそわしながら待っていると、程なくしてサイレン音が聞こえ、赤い色の警告灯を点灯させた救急車が近づいてきた。思いっきり両手を振り上げ場所を伝える私。タイミング良く姉の車も到着し救急車の隣に停車する。
救急車から降りて準備を整えた救急隊員二名を案内しようと振り返ると、家へと続く狭い路地に母の手を引いて近づいてくる父の姿があった。二人は家で待てず道路まで歩いて来たのである。少しでも早く救急車に乗せるべく無理をしたのだと私は思った。歩くのさえ苦しいはずなのに。
その光景を目撃した救急隊員の一人が思わず漏らした言葉に我が耳を疑った。
「なんだ。自分で歩けるじゃないか」
エッ!?病人が歩いたらダメなの?

救急車には付き添いの父が同乗し、その後ろに姉の車が付いて搬送先の救急病院へ向かった。それを見送った私は引き返して家の戸締りを済ませてから数分遅れて自分の車で出発。救急病院までは約10キロ程の距離があり、気が急いた私は通常よりも危ない運転をしたはず。想像以上に短時間で病院に着いてしまい、母を探し当てた処置室の前で父から衝撃の事実を知る。
病院に姉は居らず、なんと先に出発した姉よりも一足早く私が病院に到着していた。如何に私の運転が非常識だったのかバレてしまうやろうーなエピソード。赤信号でも完全停止せずに走行する救急車に背走していた姉は、途中で救急隊員から
「危ないので救急車両から離れて運転してください」とスピーカーを通して注意された。やむを得ずスピードダウンした安全運転の姉を私が追い越してしまったのである。
後に姉は信号の多い幹線道路を通り、私が近道の農道を走ってきたことが原因と知るけれど。

処置室の外で父と姉と私の三人は交わす言葉も少なく、母の診察が終わることを祈るのみ。数時間後、心電図検査など全ての医療行為が終わって驚きの報告が待っていた。
担当した医師は「検査結果に異常は見当たらず、健康上は問題ありません」と冷たく言い放った。母によると救急車に乗せられた頃から胸の痛みは綺麗さっぱり消え失せて何ともない状態だったらしい。診察の際中に「痛みも無く大丈夫です」と話したところ、医師に叱られたそうだ。
「何の問題も無く元気ならば、救急車を呼んで真夜中の救急病院を利用しないでください」
忙しい夜間の救急診療を担当する医者も人の子。お疲れモードでイラついてしまったのかも。結局、胸の痛みが発生した原因は不明。特に治療をする必要もないので、夜が明ける前には帰宅した。その朝、破壊した門扉の件で父から嫌味を言われたのはご愛敬。

数年前に天寿を全うした病気知らずの母。あの日以来、胸の痛みが再発することは一度も無かった。あのドタバタ騒動はいったい何だったのでしょうね。

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